材料・技法・工程
はじめに空間の種類ごとの進め方の違い、続いて使用する素材と技法、そして図面から施工までの流れをご説明します。最後の節に、お見積もりに必要な資料をまとめています。
空間の種類別
ホテル・会員制クラブ
ホテルの仕事は、内装工事と並走しながら開業日に間に合わせる必要があります。実際に施工される天井に合わせて設計し、内装元請けと割付を調整し、一枚だけ交換できるようディテールを組みます。
個人邸
住宅では施主も図面も一つで、仕上がりは近い距離から繰り返し見られます。鉛線の幅、半田の目、絵付けの縁は自然光の下でよく見えます。ですから住宅は仕上がりへの要求が最も高い仕事です。
パブリックアート・公共
公共案件の前は毎日多くの人が行き交い、維持管理は施設側の担当になります。そのため点検しやすい割付にし、長く保つ材料を選び、清掃と一枚交換の手順を添えて引き渡します。
教会・礼拝空間
黒料による描き起こし、銀黄、エナメル、複数回の焼成といった伝統的な技法による人物窓も、現代的な抽象案も手がけます。図像は教区に既にあるものに沿い、寸法は建物の既存の開口に合わせます。古い教会でも新しい教会でも実績があります。
商業・ワークプレイス
商業案件は最も工期が厳しいため、図面を早く確定し、内装業者のフレームにそのまま納まる板をつくります。現場での調整は必要ありません。
材料と技法
鉛線組みステンドグラス
吹きガラスとロールガラスを原寸図に沿って切断し、鉛線で組み、両面を半田付けし、目地詰めで剛性と気密を確保します。
絵付けと窯焼成
黒料で陰影を、銀黄で暖かい黄を、エナメルで色面をつくり、複数回焼成します。色はガラスに焼き付くため、拭き取ることはできません。
銅箔技法
鉛線より細い線が必要な図案や、曲面の立体組立が求められる場合に用います。
ベベル・ジュエル・インクルージョン
切断ベベル、鋳造ジュエル、ガラスアップリケ、フュージングを用い、特定の角度の光を受け止めます。
鋼・アルミのサブフレーム
ドーム、トップライト、頭上の組立体には鋼製サブフレームが付き、フレームとガラスの幾何形状は出荷前に突き合わせて確認します。
複層・合わせ構成
屋外や頭上では、案件の安全・熱性能要件に応じて色ガラス層を密閉層または合わせ層の内側に納めます。
相談から引渡しまで
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01
ヒアリングと現地調査
開口を実測し、時間帯ごとの光を記録し、ガラスがその部屋に何をすべきかを合意します。
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02
コンセプトと原寸図
まず色のスタディ、次に原寸カルトン。1:1 の図面にご承認をいただいてから切断に入ります。
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03
サンプルと承認
実際のガラスで焼いた試作パネルを、実際の光の下で確認。この段階の変更は安く、後の変更は高くつきます。
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04
絵付けと焼成
グリザイユ、シルバーステイン、エナメルを複数回焼成。色を表面に乗せるのではなく、ガラスの中に定着させます。
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05
鉛線組みと組立
ガラスを切断し、鉛線または銅箔で組み立て、両面を半田付けして目地を詰めます。ドームには鋼製サブフレームが付きます。
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06
輸送と施工
番号を付して梱包し、施工班が据え付け、引渡しまで養生します。施設管理者向けの維持管理メモも添えます。
工房の実写
切断台、絵付け台、窯、鉛線組み、梱包の各工程です。施工現場での写真も含みます。








建築家・施工者との協働
見積に必要な情報
開口の寸法と断面、天井や外装の構成、工期の節目、そして周囲のフレームの担当区分をご提供ください。
当方が発行する図書
割付・取付図、承認用の原寸カルトン、パネル番号と梱包リストをお出しし、引渡し時には清掃・交換メモを添えます。
安全と法令
頭上・屋外のガラスは案件要件と現地基準に沿って詳細化します。構造設計者と連携し、指定の中間膜や落下防止方式で製作可能です。
輸出と輸送
番号付きセクションで梱包し海外現地で再組立した実績があります。現場納品のほか、港渡しで現地施工班を指導する方式も可能です。
見積もりを最も早く得る方法
開口寸法、工期の節目、空間の写真を一枚お送りください。作業範囲、価格帯、そして未確定の事項をご返答します。